花見には少し旬がすぎた4月のある日曜日、亀岡の七谷川沿いの桜並木を見に行った。1週間前なら花も人ももっとにぎわいがあるだろうと思うが、緑の葉が彩りを変えた桜並木にまだ訪れる人が後をたたない。関西でも有数の桜の名所たるゆえんか。ソメイヨシノの盛りは過ぎたが、しだれ桜や八重桜はこれから我らの出番だと、まだ咲き誇っていた。堤防沿いの桜並木は、京都八幡の背割堤(せわりつつみ)を想起させる。
家族ずれも結構多く、こちらも親戚を誘っての行楽。とある橋で、元会社の友人に出会った。むこうも親戚ずれのような感じなので、あいさつだけして別れた。世間はせまいというか、奇縁というか、最近よく思わぬところで、顔見知りと出会う事が重なっている。
約1キロ未満の桜並木は、やはり圧巻というか手入れも大変でないかと考える。桜には花の色がピンクだけでなく、白や黄色があると聞いていたが、ここには白い桜が数本ならんでいた。少し趣が異なるさまに思わずシャッターを切った。花見をよそに、法事を営む集団が石碑に向かい読経を唱えていた。後で何の法事かと聞けば、亀岡市出身の戦没者の供養を行っているとのことだった。
しばらくしてその場を立ち去り、次の花見にと園部公園に向かった。車で約30分足らずでついた。先ほどの桜とは規模も違い桜の木も少なく、予想していたのと異なる事に。園部城があると聞いていたが、なぜかガラス窓のある巨大な建物が。これは園部城の天主を摸した「国際交流会館」の建物らしい(掲載写真のひとつ)。園部城は櫓(やぐら)がいくつか遺構として残っているらしい。公園で持って行った弁当で昼食を済まし、帰路へ。途中JA(昔の農協)の店に立寄り買い物をして、「桂坂古墳の森」に向かった。
桂坂のロータリーの近くで、またこんな住宅地のど真ん中に古墳があるのかと思ったが、洛西ニュータウンの宅地造成の際に見つかったと言われている。
23基ある古墳の中で14基が整備・保存され、内部が公開されているのが3基(1基は移築)だけ。古墳(石室)の中に入ると、暗くて少しひんやりとした空気が漂っている。高さも背丈一杯のため、背の高い人はかがんでの見学となる。全体として谷のような地形に存在する古墳。古代の人はどのような思いで古墳を作ったのか、海外にはピラミッドなどもっと規模の大きな墓が存在するが、共通した思いがあるのだろうか。
なぜ花見と古墳の取り合せかと聞かれると、たまたま花見の日と、古墳の特別公開の日と重なっただけのこと。気ままに過ごした一日が終わった。
(京都の向GIE)